お鈴のとりあえず毎日

マレーシア人の嫁とホーチミンで暮らすお話。

第五話 筋肉は友達

先日久しぶりに、嫁と意見が一致したので、喜びをここに書いておく。我が家の体重計は人が乗る位置によって4kgほど数値が変化するレトロで特殊なつくりになっているのだが、僕も嫁も中心は避けて、一番手前の位置に乗って測っていた。そのポジションこそが正確に測れる事は、火を見るよりも明らか。さすが我が嫁だ。

さて、今日はアホの様に筋肉を鍛えている友人のお話だ。
アイスクリーム屋さんで働く地元の友人は、アホほど筋肉を鍛えている。当時、上腕二頭筋でつまようじを挟んで僕に見せてくれた。彼があのペースのまま鍛えているのであれば、そろそろ小さいカメハメ波くらいは打てるので、今後は距離をとって戦う必要がある。
そしてもう一人、魚が美味しい港町でモヤシの様だった友人も、先日久しぶりにあってみると、筋肉質なモヤシになっていた。細マッチョとでもいうのか。彼は「大会があるので、味付けは胡椒とレモンです」とハラミステーキをほうばっていた。もし、僕にアイスクリーム屋の筋肉があったら至近距離でカメハメ波を叩き込んでいた。そんな僕の高ぶった感情を知る由もない筋肉モヤシは、「塩もとりません。最後はパキパキに仕上げていきます。」と続けていた。これ以上はなしが続くと、チャクラを制御している門が開き、裏蓮華に入ってしまいそうなので、適当に切り上げた。


越える相手は世界にいる。

第四話 横綱との別れ

死ぬまでに絶対に言いたい言葉は「このままでは人工心肺から離脱できない」なのだが、先日この事を友人に話したら、「腕の良い麻酔医が必要だね」と綺麗なリターンが帰って来て、アワアワしてしまった。綺麗な逆サイドへのボールは、右足が左足のふくらはぎに当たって転んだ、あの時の中体連一回戦を思い出させるには十分なリターンだった。

我が家のストライカーでもある嫁が、今週マレーシアに帰る。息子の注射の関係だ。もちろんここホーチミンでも注射は可能であるが、そこには夫婦の思惑が裏側に影をひそめ、あたかも大義名分があるかの様に事が運ぶ。察するに、僕が深夜まで仕事をしているので、一人で一歳児と長時間戦うのは骨が折れるのだと思う。実家に戻れば、お爺ちゃんとお婆ちゃんの最強のカードを発動できる条件がそろうので、やはり居心地がいいのだろう。かくいう僕も、ストライカーが家を闊歩している時には隠している背中の羽をこれでもかと広げ、ホーチミンを飛び回ることができるのである。
ただ、ここはてなブログもどうやら、すでに嫁の監視下に入ってしまった様なので、やたらな事は書けない。先日も家で嫁を呼ぶ時に「横綱」と連呼していたら、Google先輩でYOKOZUNAと検索し始めて慌てて出勤した経験が、僕に危険を教えてくれているのである。しかしながら、最強の旦那を目指す僕がこの程度の圧迫に屈するはずがあろうか。声を大にしてここに書こう。 あぁーさみしいなぁ。

言いたいことも言えないこんな世の中じゃポイズン!

第三話 マヨネーズのレビュー

先日LINEのタイムラインにはかかせて頂いたが、昨日 そのLINEを見たという先輩から温かいお言葉を頂戴したので、ここに書いておく。

まずはタイムラインのおさらいから。

今朝、息子が床に落ちてしまったマヨネーズのボトルを踏みつけて、盛大にタイル張りの床をスリップリーな状態にしてくれたので、清々しい一日をスタートすることができた。ありがとう。
マヨネーズには、いい思いでばかりである。
友人の誕生日会に参加した時のことだ。会も後半になり、みんなおお酔っ払いだった。すると、この街の先輩 、通称ゴリラが理解できない事をいい始めた。「俺が髪セットしてやるよ」と。当時はロナウドカットにしていたので、セットしていないと鳥の巣が頭に乗っているような髪型だった。たまたまその日もボサボサの髪で飲んでいたので、そのことを言っているのだと、直ぐに想像できた。
すると、お好み焼きにかけるためにと店員さんが置いていってくれたマヨネーズを、手のひらに勢いよく出した。それはまるで、体操選手が滑り止めの粉を両手に馴染ませるように。
通常では、僕の承諾の のちに、マヨネーズを手にだしセットする流れではあるが、これに上下関係を加味すると、マヨネーズを手にだし、ニヤニヤしながらセットする、という流れに変わるようだ。後輩である僕の意思などという物は、道ばたの石ころ程度の儚さしかない。
ゴリラは一通り遊んだあとトイレいき、手をあらっている。もし僕が名のある武士なら切りかかっていただろう。

使って見てのレビューですが、値段、髪への馴染み、粘着性は申し分ない。ワックスの様に何度も形を変えらるのも魅力の一つだと思う。ただ、独特の酸っぱい匂いと、翌日の痒みが気になるので、星1つとさせて頂きます。

 

これを見た先輩が、「お前、書くことに困ったらいつでも来いよ」と、二の腕をつねり上げながら優しいお言葉くれた。

強い者と闘う時は、ただただひたすら自分を信じればいい。

第二話 小さなテント

昔、居酒屋で店長をしていた時、カワイイ高校生バイトに「店長は彼女とかいるんですか?」的なことを聞かれて、ヤバイ!これは告白されるってドキドキしながら「いないよ」と返答すると、「なんか うけますね!」ってとんでもない直球がかえってきて、見逃しの三振になったことを思い出した。ニヤニヤしながら「いないよ。」と答えた時の、俺の感情を返せ。

さて、こんな僕も髪が長い時期があった。触るものみな傷つけていた時代だ。 小さい頃から通っていた床屋さんには何も告げることなく、街ではやっていた美容院に浮気をした。
始めての美容院は緊張した。綺麗なお姉さんはいっぱいいるし、そこは顔がビシャビシャになるシャンプー台など もない。前向きではなく、後ろ向きでシャンプーを受けれる。まだ、ミニーに出会っていなかった僕には衝撃の連続だった。シャンプーの時にミニーレーダーが反応して、小さなテントを張ってしまわぬように、平常心を心がけた。
「痒いところありますか?」優しい声が耳に届いた。平常心が大きく揺さぶられた。ただ、謎のガーゼが顔面にちょこんと乗っていたので、僕の動揺を見透かされずにすんだ。
「鬼のツノがはえてる部分が痒いです。」これが僕の精一杯の返答だった。
「はい。」 冷たく さめた声だった。
2度も謎のガーゼに救われるとは、考えもしなかった。

全ての日々はいい思い出につながっている。

第一話 開始

絡まって、から回って、いずれ凝り固まる前にポケットのありがとうを貯めていこうと思う。ひっそりとLINEに書いていた日々の優しさは、ここのブログへと今更ながら移行する。
僕の先輩は「ブログ始めました」と華々しくブログデビューするも、その後8年間更新がない。きっと、事件も事故もない平和が続いているのだと推測する。
かくいう僕も基本的には毎日平和な日々なのだが、「お鈴のとりあえず毎日」と銘打ってブログをスタートしようと思う。もし、8年間更新がなかったら、すごく平和な日々が続いているのだと思って頂きたい。

マレーシア人の嫁と一歳の息子の3人で、ホーチミンで暮らす毎日と、これまでの思い出をアウトプットしていくブログ。

主な登場人物から。

嫁:我が家のストライカー。スペース裏への飛び込みは動物的嗅覚か?横綱と並ぶ体格の持ち主ではあるが、俊敏で危険予知能力も高い。息子の怪我を未然に防ぐ影の功労者。怒ると、洗濯物を洗わない癖がある。

息子:マレーシアで生まれ、ホーチミンで育つ日本人。育児から遠く離れた父を今だに認知することができない一歳児。前のめりなハイハイを得意としているが、前方への注意が散漫なため、防御力が弱いのが弱点。そのため常に嫁を召喚して日々戦っている。

お鈴:このブログの筆者。ホーチミンでもつ鍋をやっている。特技・牛小腸の掃除。
不定期ではあるが、更新していこうと思っている。

上下左右はじまりは微粒子。