お鈴のとりあえず毎日

マレーシア人の嫁とホーチミンで暮らすお話。

第20話 天使の吐息

昔、どうしても働きたい会社があって、高校中退を大学卒業と偽って履歴書を書いて入社した事がある。その後ビザの関係で卒業証書を持ってこいとなって社長に本当の事を話し、いろいろと問題になった。しかし最近のアイドルをみていると、「辞めます」が、報道では「卒業」に変換されているのを発見した。高校は「辞めます」と言って辞めている僕も、卒業扱いになるかもしれないと考えた。今度、あの時の社長に会ったら、こういうことなんだと説明してみようと思う。


現在マレーシアにいる嫁とテレビ電話をしていると、息子がカットインしてきた。最近の嫁との会話はもっぱらこの息子の話題だ。今日は「天使のようだった息子の口臭が俺に近づいている」とのことだった。鋭いジャブを打ってきたが、「俺から天使の匂いがしているんだよ」とアドバイスしておいた。


最近少し太ってきたので、ダイエットについて調べてみたら、
からあげはサクサクと音がするから音楽。音楽を食べて太るわけがない。とか、
ご飯の大盛りは消化するのに体力を使うから、これはもうダイエット。とか書いてあって、なんだかダイエットに成功しそうな気がする。

 

アメリカンドッグの最後のカリカリのやつ だーいすき!

第19話 ゴーヤと鬼火と仮想通貨。

少し前に華丸さんが、「ゴーヤとよその子供は育つのが早い」って言っていて、本当にそーだなーと思った。よその子供は毎日見るわけじゃないし、興味もないから気づくと大きくなっているっていう寸法。2歳になる自分の息子でさえ最近ようやく可愛く思えるようになった僕にとってはまさにそれなのである。「ほら2歳になったよ」的に人様の子供の写真を見せられても「ほらピカチュー レベル2になったよ」くらいのインパクトしかなく、たっぷり優しさ注ぎ込んでも返答は「すごいねー」を絞り出すのがやっとだ。子供の写真を見せたい気持ちは少し理解できるようになってきたが、圧倒的な温度差がある事を頭に入れて話を展開しないといけない、と改めて感じている。

 

 


さて、街はいま空前絶後の仮想通貨ブームだ。仮想通貨を愛し、仮想通貨に愛された僕も多分にもれずやっている。今まさにニュースになっているコインチェックさんでのNEM流出事件被害者26万人の一人でもある僕は、やはり仮想通貨に愛されている。前のめりなマイノリティーを目指したが、今回の事件でふところは燃ゆる鬼火である。この悲しみをこのブログに書き留め肥しにする。ちなみに嫁には今2万円儲かってる てい になっている。

 

 

エアコン掃除のご用命は鈴木クリーンサービスへ。

第18話 ぬくもり溢れるクオリティ

ホーチミンにいると正月を感じる事が難しく、2018年も例年どうりのっぺりとスタートした。そんな新年早々に突然 右耳がお釈迦になりマジ卍である。奥の方に水がたまっている感覚で、音も聞こえにくい状況が三日ほど続いている事をSiriに説明すると、近くの耳鼻科を教えてくれた。優しさの塊である。

 

先日、家族でランチを食べに行こうと準備していると息子が電池切れで家の床で眠ってしまった。30分くらいで起きると思っていたので、「待ってるよ」と妻に伝えたものの、待てど暮らせど息子が起きなかったので、「もう先に1人で行く」と伝えると、怒った表情で「もういいよ!」と、まったく良くなさそうな返事がきた。女性の言う「もういいよ」が本当に「もうよかった」ケースは世界中で一例も発見されていない。この「もういいよ」鬼ごっこでつかう「もーいーよー」と同じ意味になるので、「私を探して」となり、今回ケース言うと「私の気持ちをわかってよ」に転じている。日本語の奥ゆかしさと懐の深さがたまらなく好きだが、今回はシカトを決め込みランチに一人で出かけた。帰ると妻の顔は赤く鬼色づきビッグバンテラおこサンシャインヴィーナスバベルキレキレマスターになっていた。世界中でまだ発見されていない事に挑戦するのはやはり、なしよりのなしである。今年は妻にヌクモリティーを持って接しようと思う。それではフロリダ。

 

食は広州にあり!

第17話 手に職を

かなり前にボイスパーカッションが流行っていたので僕もやってみたが、友人に「何?暴走族のまね?」と質問されていらい、もう2度とやらないと心に誓った。


最近の息子は車のおもちゃに大ハマり中なのだが、そのラインナップがダンプカーやショベルカー、フォークリフトなどほぼ重機で構成されている。なぜそれを嫁は買い与えているのかは不明だが、どれも資格がなければ運転できない物なので、手に職をつけるというすり込みでも始めたのかと理解している。
息子はそんな重機たちと寝る間際まで遊んで、握りしめて眠りにつく日々なのだが、毎日おもちゃ箱からその日に遊ぶ重機をチョイスしてベットに持ち込んでいる。それはまるで、将軍様が今宵の相手を選ぶさまににているので、おもちゃ箱を大奥と呼ぶことにした。嫁が適当にアンパンマンのシールを貼ったダンプカーが、週三日くらい息子の相手をしているので、正室といったところだろう。


今日はもつ鍋を美味しく食べる、おすず流9カ条をご紹介する。
1、お腹がすいてる時に食べる。
2、まずはスープを味わう。
3、モツ1に対してキャベツ2、ニラ1のバランスでほうばる。
4、豆腐はふーふーせず、上あごを攻撃。上あごぺらーんは高得点!
5、ハイボールをがぶ飲みでクールダウン。おかわりを忘れずにオーダー。
6、柚子胡椒、七味で味に優しさをトッピング。
7、〆にラーメンか雑炊をオーダー。食材からでた旨味とともに食す。
8、Facebookなどでこのもつ鍋を投稿、拡散させる。
9、以上の事を気にせず、好きに食べる。
この9カ条を守って是非美味しいもつ鍋を食べて頂きたい。

TOKONAがかかればゲンコツを交差。

 

 

第16話 ポケベルがならなくて

先日、日本に帰国していた。嫁は日本の化粧品を完全に信用していて、それらを買い足すのをいつも楽しみにしているようなのだが、1つ8000円もする物を2つも購入しようとしているので、さすがに高くないかい?とたずねると、携帯でAmazonの画面開き、先日買った息子のお弁当箱の画面を僕に見せてきた。わけが分からず言われるがまま画面を下にスクロールしていくと、“この商品を買った人はこんな商品も買っています”のページに、嫁が買おうとしている化粧品があった。これを僕に見せて何を伝えたいか分からないが、嫁は曇りなきまなこで僕を見て大きく頷いていた。
少し頭を整理して考えたみたが、たくさんの頭のいい大人が一生懸命考えて作ったAmazonのページだから、嫁がそれに誘導されても仕方がないと自分を落ち着かせた。


先日、友人とコーヒーを飲んで昔話をしていたときに、ポケベルや黒電話の話になった。当時の歌で「ポケベルがならなくて」や「ダイアル回して」などはもう若者には意味が通じないじゃないかと疑問に思った。きっとこれからは、「LINEが未読で震えてる」や「お願い、既読スルーはやめて」などが今後歌詞に登場してくると思う。

 

足るを知る。

第15話 風のたより

 

最近、うんこが出そうでお腹が痛い時をカッコつけて「別れの季節」と呼んでいる。これは食べ物から栄養をいただき、排泄する事を「別れ」という言葉に置き換え、また新たなる日々を過ごして行くさまを「季節」として表現した徳の高い言葉だと自負している。使い方としては、「あーやばい別れの季節だ」や、「昨日さー電車で別れの季節になっちゃって大変だったよ。」などのようにつかう。ちなみにオナラは「風のたより」と呼んでいる。高度な技術ではあるが、合わせて使うと「別れの季節が訪れ、トイレに座り別れの時を待っていると、風のたよりだけが通り過ぎた。それはまるで我々の別れを惜しむように。」となる。


おしゃぶりをこよなく愛す もうすぐ2歳になる息子は、俗に言うイヤイヤ期に突入したようで、気に入らない事があると大声を出したりテーブルを叩いたりして自分の気持ちを表現している。ひどい時はあれだけ愛していたおしゃぶりも投げつけたりする。この、物を投げる行為は危険だからしっかり注意してと嫁に念を押されていたので、これは父としてしっかり注意しようと思うも、数年前にスタッフに玉ねぎを投げた記憶が蘇り、「気持ちはわかるよ」と全く威厳のない注意をしてしまった。その一部始終を、料理を作りながら見ていた嫁は、まな板に向かって首を横に振っていた。


ひとりで生きていけるふたりが、それでも一緒にいるのが夫婦だと思う。
TIFFANY & Co.

第14話 歌うたいのバラッド

先日、お客さんと話している時に「なんのお仕事されてるんですか?」と聞くと「僕の仕事は歌うたいです。」と答えられ、カッコイイなーと思ったので、慌てて僕も負けじと「僕の仕事はモツ洗いです。」と訳のわからない事を言ってしまった。話し始めて1分で下っぱ感をアピールして後悔している。

 

 

特にこれといって趣味などはない平々凡々の僕がかろうじて趣味と呼べそうなものは、クシャミを誘発して楽しむ事くらいだと思う。こより、つまりはテッシュをねじって尖らせたものを鼻にさしコチョコチョしているのだが、今日の朝もその趣味を楽しんでいると、息子は不思議そうに僕を観察していた。すでに技術的にはゴットフィンガーの域にいる僕は10秒ほどでクシャミをする事ができ、それを見た息子はかつてないほどに喜びゲラゲラと笑っていた。それに気を良くした僕は2年分くらいクシャミを息子に差し上げた。時間にして10分くらいの話だが、あまりに喜んでいる息子の笑い声を聞きつけ、キッチンで洗い物をしている嫁も様子を見に来た。この素晴らしい趣味を息子にも味わって頂きたいというホスピタリティから、僕がこよりで息子の鼻をコチョコチョしてあげている時に嫁が登場というタイミングだった。親子の暖かい遊びを見るや、誘拐されそうな我が子を守る母のような勢いで、僕から息子を引きはがし、部屋へと去っていた。
なぜそんなに怒ったのかわからない。ただ、まだ2歳にならない子供に大人の遊びを教えた事に怒っているのだと自ら結論付け、出社したのであります。


うんこも元気も出るもんじゃない。出すもんだ!