お鈴のとりあえず毎日

マレーシア人の嫁とホーチミンで暮らすお話。

第14話 歌うたいのバラッド

先日、お客さんと話している時に「なんのお仕事されてるんですか?」と聞くと「僕の仕事は歌うたいです。」と答えられ、カッコイイなーと思ったので、慌てて僕も負けじと「僕の仕事はモツ洗いです。」と訳のわからない事を言ってしまった。話し始めて1分で下っぱ感をアピールして後悔している。

 

 

特にこれといって趣味などはない平々凡々の僕がかろうじて趣味と呼べそうなものは、クシャミを誘発して楽しむ事くらいだと思う。こより、つまりはテッシュをねじって尖らせたものを鼻にさしコチョコチョしているのだが、今日の朝もその趣味を楽しんでいると、息子は不思議そうに僕を観察していた。すでに技術的にはゴットフィンガーの域にいる僕は10秒ほどでクシャミをする事ができ、それを見た息子はかつてないほどに喜びゲラゲラと笑っていた。それに気を良くした僕は2年分くらいクシャミを息子に差し上げた。時間にして10分くらいの話だが、あまりに喜んでいる息子の笑い声を聞きつけ、キッチンで洗い物をしている嫁も様子を見に来た。この素晴らしい趣味を息子にも味わって頂きたいというホスピタリティから、僕がこよりで息子の鼻をコチョコチョしてあげている時に嫁が登場というタイミングだった。親子の暖かい遊びを見るや、誘拐されそうな我が子を守る母のような勢いで、僕から息子を引きはがし、部屋へと去っていた。
なぜそんなに怒ったのかわからない。ただ、まだ2歳にならない子供に大人の遊びを教えた事に怒っているのだと自ら結論付け、出社したのであります。


うんこも元気も出るもんじゃない。出すもんだ!