お鈴のとりあえず毎日

マレーシア人の嫁とホーチミンで暮らすお話。

第15話 風のたより

 

最近、うんこが出そうでお腹が痛い時をカッコつけて「別れの季節」と呼んでいる。これは食べ物から栄養をいただき、排泄する事を「別れ」という言葉に置き換え、また新たなる日々を過ごして行くさまを「季節」として表現した徳の高い言葉だと自負している。使い方としては、「あーやばい別れの季節だ」や、「昨日さー電車で別れの季節になっちゃって大変だったよ。」などのようにつかう。ちなみにオナラは「風のたより」と呼んでいる。高度な技術ではあるが、合わせて使うと「別れの季節が訪れ、トイレに座り別れの時を待っていると、風のたよりだけが通り過ぎた。それはまるで我々の別れを惜しむように。」となる。


おしゃぶりをこよなく愛す もうすぐ2歳になる息子は、俗に言うイヤイヤ期に突入したようで、気に入らない事があると大声を出したりテーブルを叩いたりして自分の気持ちを表現している。ひどい時はあれだけ愛していたおしゃぶりも投げつけたりする。この、物を投げる行為は危険だからしっかり注意してと嫁に念を押されていたので、これは父としてしっかり注意しようと思うも、数年前にスタッフに玉ねぎを投げた記憶が蘇り、「気持ちはわかるよ」と全く威厳のない注意をしてしまった。その一部始終を、料理を作りながら見ていた嫁は、まな板に向かって首を横に振っていた。


ひとりで生きていけるふたりが、それでも一緒にいるのが夫婦だと思う。
TIFFANY & Co.