お鈴のとりあえず毎日

マレーシア人の嫁とホーチミンで暮らすお話。

第24話 チームワークと闘いの舞

普段と違う行動が必要な時は意識していないと、勝手に普段の流れになってしまうことがある。そんな僕もかれこれ3日くらい歯磨き粉を買い忘れている。歯磨き粉が 「もう無理!」という状況から3日もひねり出していると、雀の涙くらいなら一生出るんじゃないかと錯覚すらする。最後の最後は歯ブラシを置き、下から丁寧に丸め、両手の親指でねじ込むように押し出すと、いつもの倍くらい出るパターンで、謎に、今日も買い忘すれるかもしれないから一応半分戻してみたりする。そんな今日は、嫁の歯磨き粉をもらいにもう一つの洗面台に行くと、ふうの空いた三種類の歯磨き粉が鎮座していて、「俺がひねりにひねってる時にコイツ」と文字には起こせない感情が湧いたので、歯磨き粉のCMくらいの量を歯ブラシに出して、贅沢な歯磨きをして出勤した。


少し前にエアコン掃除の仕事を始めたのだが、ありがたい事に多くの友人から応援を頂いている。これに関しては感謝が尽きない。そんな友人の1人が、「友達のお店のエアコンが効かないから掃除にこれるか」というか依頼を受けた。口コミが広がっていく事に喜びを感じてメールのやり取りを続けていると、場所がインドネシアのバリ島との事だった。インドネシア進出を段取る必要がありそうだ。友人から、「早くエアコンの効いた快適な暮らしができるようにダンスをしている、たたかいの舞です。」と一枚の写真が送られてきた。すぐに駆けつけてあげられない事に、心苦しさを感じている。

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何か宣伝ばかりしているようで気が引けるが、もつ鍋屋で起こった出来事も今日はリリースしておく。
チームで仕事をしていればミスはつきものだ。何も無い日は何もないくらいに毎日がハプニングの連続だが、先日起こった出来事はいつもとは違った。発端はありがちなオーダーの間違い。生ビール3つのオーダーが、もつ鍋3人前と間違えてオーダー。キッチンがすでに作った後に、この事をマネージャーが気づいた。僕はタバコを外で吸い、帰ってくるとスタッフがざわざわしていた。マネージャーから説明を受け、どうやったら生ビールともつ鍋を聞き間違えるのか?と、ピリっとしたが、「気をつけて」と優しく声をかけた。にも関わらず、マネージャーから、「社長が間違えたんですよ」と、まさかの戦闘開始のゴングを鳴らされた。わかりやすく説明すると、栽培マンにボコられるヤムチャが、戦闘力53万の私に仙豆も持たずに挑んでいるとでも表現したらわかっていただけるだろうか。ここまで力の差があると逆に冷静になれる。マネージャーの言い分を聞き、一つ一つ間違いを指摘して、逃げ道をなくしていった。豊臣秀吉がよく使った戦術にも似たそのやり方で、追い込んで行くと、「じゃー、カメラのチェックして」とマネージャーがさらに語気を強めた。僕は一向に構わない。「これでハッキリしちゃうよ、いいの?」と僕。完全に逃げ道を塞ぐ形は取りたくなかったが、それを望むのであれば、確かめざるをえない。お店も落ち着き録画の映像を観ると、生3とスタッフが言っているのにレジでもつ鍋3と入力している、二級河川の石ころのような後頭部がハッキリと映っていた。

 


小さな事業を自分の実力でまわすのではなく、大きな事業を他人の力を借りてまわしていくのが事業家である。